帰れない冬の日

女子とまともに話せない中学生のような性分を未だに引きずっている。
まぁ、相手が誰であろうと上手く話せた試しなどないわけだが。
このまま一生一人なのだろうなと、この歳になると考えずにはいられない。
そういう寂しさのような感情を紛らすためだけに自分以外の誰かの時間を貰う事に対して、三十代になっても相変わらずためらいを感じている。
今に至るまで遠慮した先に良い事なんて何一つ起こらなかったわけだが、ちっぽけな自分を守る事に今日も必死なのだ。
無理して何か変えてもその自分を維持していく事ができないし、かと言ってこのまま日々を漫然と生きているだけで何か起こるわけでもない。
ご飯でも行きませんか?と言えばそれだけで変わるものもあるかもしれないのに。

休みの日だというのに買い物に出た先で嫌な気分を味わって、堪えきれず午後はバイクに乗った。
気付いていないわけじゃない。誰しも歳は取る。
ただ、年輪を重ねた先に、全く成長しておらず誰かの横に立つ価値すら見出だせない自分に呆れている。
今宵も安酒をあおり、自分自身から目を逸らす。

追記
道を譲ってくれた除雪車のお兄さん、ありがとう。