月のかけら

夜は秋の空気を感じるようになった。

 

また時間を無駄にしたのだと思い知らされる。

一歩踏み出しても何も変わらなかったかもしれない。

しかし一歩目がなければ二歩目は永久にやって来ない。

待っていても誰も訪ねては来ないと知っているはずなのに。

場所を変えて上辺を誤魔化しながら、もう十年以上は本質的に同じ下らない悩みを繰り返している。

こんな人間のままで好かれようなんて。