何も出来ない

結局は自分が一番の能無しだった。
電話を切ってからとんちんかんな事を話していたと理解する。
仕事終わりにレイトショーでも行こうかと思っていたが、気疲れして帰宅した。

半年前の出来事が今頃になって襲い掛かってきた。
いよいよ嫌気が差してきた。
一生懸命やっても報われる事など一つもない。
何処へ行っても同じ。知っている。
それを繰り返し、否応なしに理解させられていくうちに、精神は磨り減る。
岩は小石になり、サラサラの砂になる。
最期には海の中へ溶けていく。

次は何処へ行くのか。
背を向けて消えていく物語に心惹かれているだけだ。