何十回のさようなら

遠くで鐘の音がする。

朝から雪に伴う現場作業にかり出され、疲労を引きずりながら通常業務をこなし、謎の昇給通知を受け、女の子を誘うのに失敗して頭の中ぐちゃぐちゃになって帰宅したところ実家の塀でバンパーを擦った。
またろくでもない一年が暮れていく。

この歳になって未だに中学二年のような気持ちを味わっている。
優しさを装っても、根底にあるものが下心であれば気持ち悪さしかない。
ただ急かされているのか、本当にそういう気持ちがあるのか、自分を計りかねている。

来年は無理矢理にもう一度生活を転回させる。