人生にモラトリアムは無いんだぜ

DVD『花物語』上下観た。
楽しみにしていたけど地上波で放送しなかったやつ。
やっと新作から準新作に変わった。

願わくば十代の頃に観たかった、というのが第一の感想。
アニメ化されているシリーズ中で、一番青春っぽいのではないか。
髪を伸ばした神原可愛い。
阿澄さん演じる沼地がとても良かった。
抑えたトーンで飄々とした人物像を印象付けられる。耳にすっと入る。
神原・沼地の距離感も絶妙なもの。
互いに好敵手として凌ぎを削りながらも、悪魔様の一件まで彼女らの人生が交わる事は無かった。
しかし心の中からその存在が消える事は無かったのだろう。
実は公式戦で対戦した事は一度もないという。それでも神原はライバルと認識していたのだ。
「放課後時間あるかい?」「あるよ」
「ワンオンワン、やる?」
「やる」
この辺りに決して親しくないが、語り合うべき言葉を持っている二人の距離感を感じた。
沼地がどういう状況にあったのかを踏まえてOP映像を見ると、来るものがある。
神原による決着……これは過去の総括ではなくて新たに一歩を踏み出す為のものなのだろうが、そういう物語だった。

黄色いビートルでの登場は僕もがっかりした。

今回良かったっすわ。シリーズで一番好きかもしれない。
少しだけ前を向けそうな気持ちになった。
たとえ青春が遠い過去の出来事になってしまっていても。