オペラ座館わたし殺人事件【前編】

一瞬開いた安っぽいハウツー本に「決着は当人同士で付けさせろ」と書いてあったが、そこはその通りな気がするので気を揉む事も無いかと。
もう答えは出ていると思うのだが。
まぁ問題はそんな狭い範囲じゃないから困ってるんだけど。そして自分の決着の方が大切。
蝦夷農の校長先生も生きる為の逃げはアリだと言っていたし・・・。
イヤホンでラジオ聴きながら離れた場所に居ても不愉快な高笑いが耳につく。
早く黙れよ。
なんで平気な顔で他人の気持ちを踏みつけられるのか・・・もうやめようこんな話は。
二度と関らない。絶対に。
どうやっても不快な声が聞こえる。自分の事だけが可愛くて仕方がない歪んだ顔。
俺達だけが被害者だなんて言うつもりはないけれども。
比喩的表現ではなく本当に吐きそう。

社交辞令だが、温かい言葉を貰った。
いざとなったら戻っておいで、と。
手を差し伸べてくれる人がいるのは財産だと思う。
優しさは押し付けじゃない。
あの場所はそういう優しさがあったのかもしれない。
普通の人間ってそういうものなのかもしれないけれど。
とはいえ優しさに甘えて現状から逃げ出しては過去の失敗を繰り返すだけ。
今置かれた場所でまた明日から生き方を探すしかない。当座は。
まだやり直せる。新しい生活に向けての準備もしていかなければ。
昨日も書いたがどうせ住まいを変えるなら一度も行った事ないような場所の方がいいかもしれない。
計画が実行できる頃には気分的にもうこの辺りには住めない状態になっている気がする。