五月病後半戦

五月も末になって五月病が深刻に。
また「これでよかったのか(あるいは「こんな筈じゃなかった」)論争」が脳内で巻き起こっている。
まぁ良くはないよね、はっきり言って。ゼミ無し、サークル無し、コミュニケーション能力欠如で不況の最中、僕に職と未来はあるのか。
嫌な事から逃げ続けたのだから当然の状況ではある。
しかしまぁ、本当に落ちぶれたなぁ。思えば遠くに来たもんだ、という文句がコンビニの駐車場で煙草吸ってた僕の脳裏を過った。
同じ場所なんだ。同じなんだけど、変わっていくじゃないですか。
バイパス沿いの田畑はチェーンのファーストフード店やコンビニになっちまったし、そうかと思えば高校生の頃よく立ち寄ったコンビニは潰れてるし、昔は普通に話せていた同級生は茶色や金色の髪をしてまるで別の世界の人間みたいだ。
いつもの横断歩道に立っていても後ろから呼び掛けるあの子はもうそこには居ない。皆別々の日常を手に入れて、此所を去り、あるいはこの町の別の顔の下で息をしているのだろう。
僕は立ち止まったまま。制服がダサい私服に変わり、今一馴染めないグループにすら属せなくなり、自転車がスクーターに変わったくらいだ。
自分が変わるか、違う場所に身を置くか、そのどちらも結局出来なかったな。
逃げ出したのだ。

過ぎ去った時間はクソみたいなものだ、と誰かが言った。
目の前を真っ直ぐに見据えられる人の言葉だ。
どちらにしろいつか悔いはやって来る、と別の男が言う。
悔いなんてものを考えず生きているからこそ吐ける言葉だ。
人はいつも、今この瞬間しか生きられない。だからそろそろ今日の日記は終わり。

窓を開ければ、網戸の向こうに強度近視の裸眼でも分かるほどに丸い月が見える。
時折示し合わせたように途絶えるカエルの歌。思い出したように鳴くフクロウ。
心臓が動いていれば朝はやって来る。
なんとかしたい明日こそ。